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2003,12,01, Monday
1.ギラン・バレー症候群
ギラン・バレー症候群とは、免疫系の病気ですが、その原因はまだ、完全に解明されていません。神経内科系の病気の中では、珍しく完治しやすい病気だと言われています。 ポリオが自然発生しなくなった先進国においては、脳卒中を除けば、急に手足が動かなくなる病気の原因としてもっとも多いことが知られています。人口10万人あたりに対し1人から3人程度の発症で、年間2000人以上発症していることが推定されており、それほど稀な病気ではありません。また、ギラン・バレー症候群は、男性の方がかかりやすく、赤ちゃんからお年寄りまで、どの年齢層にも発病しうる病気です。 2.症状 典型的な症状としては、まず、手先や足先が急に動かなくなります。2~3日で動かない部分が段々と、体の中央部に向かって進行していきます。ひどいときには、そのまま呼吸筋まで麻痺し自分で呼吸できなくなったり、顔面が麻痺して、見たり・しゃべったり・食べたりすることができなくなったりします。同時に3/4以上の人が、感覚も麻痺してしまう場合もあるようです。発症から2週間くらいでピークをむかえ、ピークを超えるとだんだん体の中央部から動かせるようになってきます。 病状の回復にかかる期間も個人によってまちまちで、1ヶ月ぐらいで完治する人もいれば、1年以上経ってもなかなか回復せず、足や手に動かせない部分が残ってしまう場合もあります。 3.原因 ウイルスや細菌が、人間の運動神経と似た構造を持っていることが明らかになりました。風邪をひいたり・下痢をしたときに、その元となったウイルスや細菌を排除しようとして、血液中には「抗体」という物質ができます。その際、誤って自分の運動神経を攻撃するような「自己抗体」ができ、その「自己抗体」が運動神経の機能を障害して、手足の筋肉が動かなくなるという機序が明らかにされつつあります。 1)カンピロバクター菌説 主に鶏肉に含まれるカンピロバクターという菌はが体内に入った場合、免疫系がこの菌を殺すために抗体を作りますが、この菌と人間の神経細胞が似ているために誤って抗体が運動神経を攻撃し。その結果、筋肉が動かなくなるという説です。この菌が体内に入ると、2日ほどして、下痢・発熱などの症状が現れ。その1週間後あたりから。四肢麻痺などが起こるといわれています。 2)サイトメガロウイルス説 サイトメガロウイルスは、成人の8割が感染していると言われていますが、そのウイルスに対する抗体が神経細胞を攻撃するという説です。一般に、ウイルスを殺す薬はないといわれていますが、サイトメガロウイルスに関しては例外で、薬が存在します。血中の抗体値を検査し、高値の患者は、この薬を使うことで、症状が改善することがあるそうです。 4.検査 1)髄液検査・・・髄液中の蛋白の含有量で、診断するために行われます。 2)便培養・・・便の中に含まれるカンピロバクター菌の有無を検査するため 3)抗体値検査・・・血中の特殊な抗体値を測定することで、ギラン・バレーのタイプの判断・予後の予測がわかります。 4)末梢神経伝導検査(筋電図)・・・神経を流れる電気信号の伝達速度を測ることで、神経の損傷度合いを検査します。 5.治療 1)免疫グロブリン大量療法 2000年12月12日に厚生省に認可された最先端の治療法です。免疫グロブリンは、他の人の血液からとった抗体を集めたもので、血液製剤の一種です。この点滴を5日間行います。 長所は、血漿交換が大掛かりな設備を必要とするため、特定の病院でしか受けられないのに対し、どこでも点滴のみで、簡単に治療が施せるという点にあります。短所は、肝機能障害を併発しやすいということです。この治療を行った患者の4割が肝機能障害を起こすという報告もあります。 2)血漿交換 体内の血漿を機械を通して入れ替えてしまう治療法です。運動神経を攻撃」する悪い抗体を取り去ってしまうということで、一般的には急性期に行います。 機械を通して他の人から採取した血漿を大量に体の中に入れるので、拒否反応が出たり、機械を通すので、急に血圧が下がり頭痛などの副作用が出ることもあります。また、施設の整った大きな病院でないとこの治療は受けられません。 6.予後 予後は、人によってずいぶん異なります。ギラン・バレーは大きく分けて2つの種類があります。 神経を導線に例え、断線型と絶縁体破壊型に分けられます。断線型の方が予後が悪く、回復速度も。絶縁体破壊型の3倍かかるといわれています。カンピロバクターが原因の場合は断絶型が多く、サイトメガロウイルスの場合には絶縁体破壊型が多いといわれています。 再発・再燃は、再発の可能性は2%。再燃の可能性は、10%前後といわれています。
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