|
2003,08,01, Friday
1.腸炎
腸管感染症は、小児科診療の中で、呼吸器感染症と共に極めて大きな位置を占めます。 下痢 ☆急性下痢・・・細菌性・ウイルス性胃腸炎 ☆慢性下痢・・・急性下痢の遷延や乳糖不耐症等 急性下痢とは 「いつもと違う便性の便の中に大量の水と電解質が失われる状態」 血液、膿、粘液を混じた赤痢・サルモネラ、カンピロバクター等の下痢は「いつもと違う便性」であり、一回の量は少なくても回数が多く、最後は便意が強いのに出るものがない状態になることもあります。 細菌性下痢とは 粘膿血便とか悪臭を伴う下痢。 温度環境が細菌の発育に適する為、どちらかというと夏期に多発します。 血便は組織に菌が侵入し、粘膜細胞層を横へ横へと拡がり、潰瘍を作ります。組織障害型下痢の特徴です。 (O157が有名な腸管出血性大腸炎では、「便量は多くなく血便」とか「水様便で量が多かった」と言われています) 2.カンピロバクター腸炎 細菌性腸炎の病原として最も検出率が高く、極めてポピュラーな疾患となっています。 好発年齢:1~3歳と6~8歳 季節:5月を中心に3~7月に多い。 感染経路:人から人への感染は少なく、主には市販生食肉、特に鶏肉からの感染である。 一般にカンピロバクターは室温で放置した場合、好気性条件下では1~2日で死滅するが、4℃で保存した場合には長期間生存する。 この為、冷蔵庫、冷凍庫での保存は予防にならない。加熱処理が不可欠である。 潜伏期間:2~11日とされるが、24時間以内に発症する可能性も考えられる。 性差:男児にやや多い。 症状:発熱・腹痛・下痢・血便・嘔吐である。この中で血便は、目立った症状として重視される。腹部の違和感、不快感、発熱が下痢の半日~2日前に先行する。腹痛は下痢と共に高率にみられ、時に疝痛である。 治療・予後:1~3週間で自然に排除される。抗菌薬の投与によって48時間以内の菌陰性化などの効果が得られる。 3.サルモネラ感染症 下痢症における頻度はカンピロバクターに次ぐものです。 好発年齢:1~5歳に多い。6歳以上は少ない。 性差:男児に多い。 季節:7月を中心に夏から秋に多いとされる。 感染経路:多くはサルモネラで汚染された畜産食品に起因する。(鶏肉・卵etc)又、ミドリガメを代表とするペット動物も保菌する。人から人への感染は少なく、汚染された食品からの経口感染が多い。サルモネラは、普通の環境温度でも生存可能であるので、生卵等の調理時に汚染の可能性がある。 症状:潜伏期は8~24時間と短く、摂取後速やかに発症する。発熱、腹痛、下痢、嘔吐があるが、高熱は高頻度である。1回量が多く青緑を帯びる事が多い。挽肉サイズの粘膿血液を混じたミートソース様である。 治療・予後:自然治癒傾向があり、予後も良好である。 4.O157 ベロ毒素産生性大腸菌(腸管出血性大腸菌) 感染源・感染経路:牛肉あるいは牛由来食品が注目されている。本来O157は、牛の腸管内に生息していると考えられるが、糞便からの二次感染は様々な経路で多彩な食品へ起こりえる為、現在汚染の可能性のある食品を特定することは困難である。 潜伏期間:一般の食中毒菌に比べて長く、典型的には3~4日と考えられているが、1日~8日と幅がある。 症状:下痢と腹痛。水溶性下痢が出現し、次第に頻回となり1~2日後に新鮮血便を認める。腹痛(疝痛様)も高率に認め、血便の時に増強する。 治療:止痢剤の投与は控え、乳酸菌製剤は使用する。 予防:手洗い、食品の加熱が予防上重要である。
| 病気のお話 | 12:00 AM | comments (x) | trackback (x) |
|


